2007.8.4-5 大荒れ後晴れ in 剱岳
翌日朝2時に起きて準備開始。音を立てないように気を遣いながら部屋の外へ出てほっと一息。一階に下りると誰一人として起きていない。稜線の小屋ならゴソゴソと出発する人がいてもおかしくない時間なんだけどね。って、ここも稜線の小屋か(^o^)
外に出ると、暗闇の中に剱の姿がよく見える。しかもお月様も見える。
やったね。晴れるよ。
で、色々と準備をし始めるとポツポツと人がトイレタイム&お外見学に来ます。
ここを越えられない人はこの先に進むとにっちもさっちもいかなくなるので引き返した方が良いと思います。でも、このスリルがたまらないんだよね。
平蔵のコル手前では大きな一枚岩の下りがあり、慎重にさっさと下ります。鎖が付いているけど、岩がしっかりしているので余り使いません。
斜面をトラバース気味に歩くと、前剱の登りにさしかかります。
結構な斜度があることと、足下は不安定なガレ場。上からの落石と自分が起こすかもしれない落石の両方に注意しながら慎重に進みます。
幸い沢山の人が歩いていることもあり、ルートははっきりしているし、浮き石もはっきりしているので慎重に歩けば問題なし。でも危険度は高いけどね。
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イワツメクサだね
タカネツメクサとは葉の形が違うので判別出来ます
「イワ」はとがっていて、「タカネ」は丸いです
なんて歩いている内に剣山荘との分岐あたりで陽が射してきます。やったね。ふと西側を見ると富山平野が見えます。日本海もね。でも剱はまだガスの中だけど。
ここからルートは剣山荘へ降りるのと、そのまま稜線を進むルートに別れます。当然稜線をそのまま進むルートを選択。一度下って登る必要ないもんね。
で、いよいよ最大の核心部であるカニのタテバイ手前に到着。
平蔵谷の雪渓が岩場直前まで残っていてちょっと異様な感じです。
3m程は残っている雪のわきを抜けてタテバイの真下に到着。上を見ると女性が一人だけ取り付いているだけで、後続もいません。
ラッキー、ゆっくり楽しんで登りましょう!
ということで、登りながら記念撮影大会の始まりです。
目の前にそびえ立つ前剱の登りをやっと終えてようやく山頂に到着。
西側からの風が強いので剱沢側へ少し降りた平地で一休み。本当ならここから雄大な剱の姿が見えるはずなんだけど、恥ずかしがり屋なのか、彼はガスの中から出てきません。うーーん残念。
で、このあたりから靴が滑るのでちょっと辟易気味に。
今回の靴は我が家がテント泊では使用しない軽くて柔らかい靴を選択してきました。バネ下加重は小さい方がラクダし、岩場でどの程度使えるかということも試したかったからね。
でも、さすが剱の岩場は手強いな。ビフラムソールなんだけど、結構滑るし、岩の間に足を挟む時などは足に直接岩があたり痛いし、ソールが柔らかいからつま先だけを岩にかけてそのまま登るのも結構踏ん張らないといけないし。
まぁ靴が軽いことと、これらの使いにくさのどちらを選択するかは非常に難しい所だけどね。
でも、根本的に問題があるわけではないし、そのままガンガン進みます。
「すごいガスだ〜」という声で表に出るとガスガスです。おまけに風も強いし・・・
日の出は5時前。ただいま午前3時前。ここから剱御前のトラバースには雪渓がだいぶ残っているということも聞いているし、小屋の先には大きな雪渓があるし・・・ガスガスの中で暗闇を歩くのは危険なので、少し待ち。
その間に朝ご飯と暖かいお味噌汁を頂きました。で4時頃になっても天気は相変わらず。小舎の人が出てきて、今日はガスが濃いですね、と・・・
仕方なし、明るくなるまで待つことに。
一服してから出発。多少のアップダウンを繰り返して、いよいよ剱の核心部へと突入。急な岩場を鎖を頼りに(せずに)下り、まず最初の難関?である大きな岩をヨコバイ状態で渡る場所へ。ここは見た目より実際に歩いた方が怖くありません。でも落ちたら大変だから慎重に歩きます。
↑チシマギキョウです
これも晩夏の雰囲気があるよね
で、この稜線がちょっとだけくせ者。ハイマツが非常に張り出していて、藪こぎとまでは行かないけど、ハイマツの中をかき分けて歩くことに。
足下なんか全然見えないので段差などに注意しながら進みます。
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剱沢から真砂沢方面がうっすらと陽が射してきます
まずは小屋の目の前にある雪渓を渡ります。
雪渓の終わりかけの部分が少し坂になっていることと、前夜の雨のために雪がかなり締まっていてとっても滑りやすくなっていたので危険な場所では、ステップを切りながら慎重に歩きます。
何度か雪渓を越えながら歩いていると剱沢のテント場方面から人の声も聞こえてきます。
トラバースする雪渓は全部で5−6カ所ほど。一番長い雪渓は優に100mは越えるところもあり、前夜の大雨で真っ平らになっている場所もあるし、本日我らがこのコースを一番最初に歩いたみたいで、ステップなどは全く切っていなく、時々靴をけり込みながらも慎重に進みます。
それでも雪渓は片斜面なのでちょっとドキドキモード。下を見るとガスの先まで斜面が続いているので滑落は絶対に出来ません。雪堅いし、バランス崩したままで転倒したら止まらなさそうだしね。
一服剱の手前で剣山荘からの登山道と合流すると人も増えてきます。稜線から突然出てきた我らを見て、剣山荘からきた人は「どこから来たんですか?」とびっくりしていたな。
ここからがいよいよ岩の殿堂「剱岳」へ突入です。
まずは軽く足慣らし程度の岩場を登り、一服剱を越えます。ガスガスだし休憩もせずに写真一枚撮影して先へと進みます。
ということで、登りながら記念撮影大会の始まりです。
さすがに余りにアホな体勢は取るのは控えましたが、まぁそれなりに楽しみながら登ります。タテバイ最後の部分で先行している女性がどこにステップすれば良いか分からず立ち往生していたので、けいこを先に行かせてちぃにぃは後からあっちこっちとステップの場所を示しながら無事タテバイ通過。通過中に山頂方面から大きな叫び声が聞こえてきた。
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素敵でしょ
下はスパッと切れ落ちています
でも、見た目よりは・・・です(^o^)
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最初の危険な場所です
これから先は全てが落ちたくない場所です
日の出の時間まであと少しというところでようやく明るくなってきたので出発。ヘッデンは使わなくても良い程度。
荷物はけいこは完全な空荷、ちぃにぃは食べ物と水と救急セットなどを背負って、小屋の人たちに「いってきまーす」と言い残して小屋を後にします。