2006.8.26-27 奥穂はまだまだ遠いぞ in 西穂高岳
明け方まで時々雨が降っているみたい。ウトウトしながらテントに当たる雨の音を聞きながら朝を迎えた。
で、起きたのは3時30分頃。外を見るとガスガスじゃん。一気に気持ちが萎えちゃったんだけど、まぁ山で朝ガスがでるのは日常茶飯事なんでね。
気を取り直して、眠い目を擦りながら出発までバタバタと時間を過ごしたんだ。
久々の山でのテント生活だったので、荷物の整理などの感覚が鈍っているので思っていた以上に時間がかかってしまった。
8月27日 時々場所によってはガス
←準備完了
出発です

小屋の外は11度
中は15度
結構暖かく感じました
今日は、ちぃにぃはけいこの50Lザックを、けいこは持参した20Lのアタックザックで西穂を目指すよ。
バーナー、シュリンゲ120cm×2本、カナビラ2枚とツエルトと、行動食をザックに放り込みいざテントから飛び出した。
出発時の気温は11度くらいだったかな。
小屋の前は結構人が沢山出ていたけど、我らはほぼ先頭グループとして出発。
基本的に大部分の人が西穂までの往復か独標までの往復なので意外とのんびりしていたかな。
まずは丸山を目指して登ります。一応カッパのズボンとスパッツだけは付けて行きました。
登りはじめてしばらくしてもガスが晴れないなぁ〜。一日ガスならいやだなぁなんて思いながら丸山へ登っているとき、
ふと空を見ると雲が切れかかっているではないですか。ラッキー!
これで、日が差してくれば一気にガスが上がるかな、なんて期待を込めて一歩ずつ歩を進めると、あっという間に
丸山(らしき)場所に到着。一応GPSで確認したところ、ここが丸山ということが判明。
とりあえず記念撮影をしないとね。
←丸山の山頂には何も標識はありませんよ

ふと足下を見ると
ウメバチソウが咲いてました
ここまでのコースはハイマツの間をすり抜けるようなコースだけど、ここから先は少しずつ穂高の山の模様を見せてくれてきたんだ。
拳ほどのある石がゴロゴロとしている登山道をゆっくりと登っていった。
少し急な登りを終えると目の前に独標が見えてきた、と思ったのは
心の中だけ。相変わらずガスガスガス。
←少し穂高らしい登山道になってきたぞ
でも後を振り返ると青空も見え、南側には乗鞍岳の山頂も顔を出している
ヨシヨシ、これは晴れるな。と思っていたら突然目の前のガスが切れて、独標からピラミッドピークへと続く稜線が見え始めた。
やっぱり神様はいるんだよね。でも、それもつかの間、あっという間にまたガスガスガスの中へ〜

乗鞍岳の山頂が少しずつ顔を出し始めてきた

一瞬ガスが晴れて、独標からピラミッドピークへと続く稜線が見えてきた
なんか、とっても楽しそうな感じ(^。^)
独標手前当たりから少し岩場らしき場所になってきて、久々に岩をつかむ感覚が懐かしかったんだな。
岩の
ザラザラした感覚と、人が沢山触っているために妙にツルツルした岩の感覚。うーん、この感覚が大好き\(^_^)/
↑こんな階段状の道を登り
↑こんな階段状の道を登り
↑小さなアップダウンを繰り返し
↑小さなアップダウンを繰り返し
↑満面の笑みを浮かべてよじ登り
で、小手はじめの岩を登るとそこは独標。途中で追い越していったパーティが朝ご飯を食べていたね。まだ人がいない時間だからのんびり出来たみたい。
で、我らは記念撮影で一休みして、「
ここが目的地じゃないもんね〜」という言葉を残して先へ登ったんだ。
っと、正確には登ったというより、最初は下ったんだけどね(笑)
←無事独標に到着です

するとこんな絶景が
左がピラミッドピーク
右が西穂高岳です
↑振り返るとこんな感じです
↑落ちたら死にます 絶対に
↑独標からははずこんな所を降ります
で、西穂から先は本格的な岩場が続く、決して初心者が近寄ってはいけないルートとあちこちに紹介されているんだけど、確かにそうだね。まず独標から最初の下りが楽々降りられるかどうかが、ここから先へ進んで良いかを判断する目安かな。
嘘偽り無く、落ちたら絶対に重大事故に繋がるもんね。
滑った、転んだ、足を引っかけた、ザックが引っかかった等、ほんの0.1秒油断しただけで、一生悔やんでも悔やみきれない事になること間違い無し
その覚悟がある人、家族の理解を得ている人だけが足を踏み入れて良い領域なんだよねぇ〜
なんて、偉そうに書いているけど、実際ちぃにぃも心臓バクバクで、岩にしっかりしがみつきながら(岩場は岩から体を離すのが基本ね)、「
転けたらあかん」「集中集中」と心の中で呪文を唱えながら歩いているんだけどね。
でも、この
岩の感覚がもの凄く楽しいんだ。本当に(笑)
で、まず独標からは一旦下って、それからすぐ岩場を登り返す。それでまた岩場を下るんだけど、この下りが結構くせ者。
下りの途中では
飛騨側に切り立った岩場を蟹の横ばいの要領で歩く場所もあるんだ。距離は短いけどね。
で、続いてピラミッドピークへの登りが待ってます。
この独標からピラミッドピークへと続く数回の上り下りが西穂へ行く途中の第一の難関かな。
↑思っていたより意外と早く到着
↑イワベンケイが色づき始めてます

ミヤマダイコンソウ 
の様な気がしますが・・・
↑晩夏の代名詞 トウヤクリンドウはまだ早かった
↑イワツメクサが咲き誇ってました↑
ピラミッドピークに到着するとまたもガスガスだったけど、ガスも非常に早いスピードで流れているからすぐに晴れてくるんだ。
体に当たる風が気持ちいいよ。
ピラミッドピークからは西穂山頂までは一回下って後は登るだけ。
西穂の山頂にはまだ余り人影が見えないな。

で、フト足下を見ると晩夏なのに結構お花たちが咲いていて、緊張した心と体を落ち着かせてくれます

チシマギキョウも
晩夏のお花です
で、西穂に向かう最後の登りでは、山頂の少し手前で非常にツルツルした手がかり足がかりが少ない岩場が待っているんだ。
ちぃにぃは背が大きいから手がかり足がかりはあちこち有るけど、背の低い女性なんかは結構大変そう
←西穂高岳への最後の登りです
注意して歩けばこのあたりは全然問題なし
落石だけには気をつけてねす

ここが西穂山頂手前の岩場です
非常に手がかり足がかりが少なく
しかもツルツルしています
雨などで岩場濡れている場合は
特に注意が必要かな
で、問題なのはそれだけじゃ無いんだな、これが。
我らが登るときは下山してくる人があんまりいなかったんだけど、
下山してくる人が沢山いるときは落石に注意が必要。
特に混雑している時などは、
無理してガレガレの場所を下ってくる人とか、待ちきれずに登る人とかが落石を引き起こすんだな。
下山するとき、「
ラク〜」という叫び声が響いていたっけ。
話が横道にそれてなかなか山頂に着かないぞ(笑)
で、ほとんど我らだけの登りを無事済ませて、
西穂山頂に到着
山頂には既に5-10人ほどの人たちが到着していたな。で、
肝心の奥穂方面の展望は・・・ガス・・・ガス・・・ガス・・・(;>_<;)
↑恒例の手手手
↑でもって、これが新しい足足足(^。^)
仕方なく、とりあえず山頂到着写真を撮影して、ちょっとのんびりしていると、そらきたぁぁぁ!
ガスがどんどん晴れてきた。やったね。
あっという間に西穂から奥穂へのルートが目の前に飛び出してきた。

正直絶句・・・

しばらく声も出なかった・・・

ちょっと感動したというか、意表を突かれたというか、なんと表現して良いか分からない。
←少し待っていたら、青空が広がってきました
↑一気にガスが取れて目の前には。。。
↑これも最近の我が家の流行です
西穂から見た奥穂へと続く稜線
画像をクリックすると生動画がみれますよ
レポの出始めにも書いているけど、西穂から奥穂へのルートは絶対に歩くと決めているコースなんだ。
我々の様な一般の登山者が歩くことができるルートでは掛け値なしに最難関(意見は色々あると思うけど、
ちぃにぃの中では最難関です)なんだ。
ガスが晴れた時に見たあの岩場、あの稜線、正直「
駄目だな」と思ってしまったよ。
正確に言うと「
まだ、まだ駄目だな」かな。
今の自分の実力(事故の事も含めてね)で歩くことができるかというと、
歩けると思う。歩くことができる自信もある
でもね、
肉体的、精神的に余裕を持ち、自信満々で歩けるかというと・・・駄目だ。まだね(^.^)
余りにリスクが大きすぎ。もっと練習して、万全の体制で挑戦しよっと。
思い入れを強くして強くして強くして、それから達成した方が絶対に楽しいしね。大キレットの時がそうだった様に。
←ピラミッドピーク
の手前にて