昨日歩いてきた
縦走路↓
↓槍ヶ岳
↓八ヶ岳
↓南アルプス
富士山↓
前穂高岳
奥穂高岳
北穂高岳
2003.8.20−24 恐怖の大キレットへの道 その4
朝起きると天気は快晴。空は限りなく透明に近いブルー。今日はイヨイヨ大キレットを通過する。体調は万全。天気も万全。気持ちも万全。
パッキングを済ませ、キレットへ突入する前に南岳へ10分位の準備運動を兼ねて眺望を楽しみに行く。
北アルプスはほとんど全部。八ヶ岳から富士山、南アルプスも手に取るように近くに、はっきりと見える。
南岳の頂上では本当の360度の展望が得られる。
↓南岳から見た360度の大展望
さて、本題のキレット。問題となりそうな箇所は4つ
一つ目は最初の大下り。浮き石などが多いので落石に気を付けて急な道をゆっくり慎重に。
二つ目は長谷川ピーク。天気が良すぎるため、崖の下までよく見えすぎて高度感がたまらない。ピークを過ぎて少しの所で飛騨側に体を入れ替える箇所がなかなか手強い。
三つ目は飛騨泣き。北穂へ向かうルートの場合は意外と怖くない。でも高度感と岩場はなかなかのもの。逆ルートだと一カ所辛そうな岩場がある。ザックが大きいので足場が狭い場所ではザックが邪魔して危険度は増す。
四ツ目は北穂への登り。とにかく急な道というより岩を四つんばいになりながら登る。ザックの重さが肩にずっしりとのしかかる。足も疲れ、岩をよじ登ることばかりなので腕も疲れてくる。おまけに指先は岩の攻撃を受けヒリヒリしてくる。
南岳でたっぷり山の姿を堪能し、小屋に戻りいよいよ大キレットへと進む。ここで愛知から来た渡辺さんと大キレット越えの行程をご一緒することになる。

歩き始めるとまず最初に最低鞍部までの長い下り。岩場を慎重に降りる。足下は岩がゴロゴロしており、下に人が歩いているので落石を起こさないようにとにかく慎重に歩く。山道特に岩場での事故のほとんどは落石と自分の足、岩などに躓いてしまことによる転落滑落。集中して歩けばほとんど問題は無いはずなので、けいこと常に「集中集中。慎重に慎重に」と声を掛け合って行く。同行の渡辺さんも冗談ではなく「ここの崖は二回は落ちることができないからね」と。
これが大キレット全貌。
いったいどこを歩くの?
下る途中に来た道?を振り返るといったいどこを降りてきたのか自分も???
↑最後に2つの長い梯子を
下りると最低鞍部に到着
30分程度で最低鞍部に着く。ここは大きな岩がゴロゴロしていて、最初の休憩ポイントしては最善の場所。
日差しがとても強く暑いせいもあるが、山道を下るだけでこんなに汗をかいたのははじめて。やっぱり緊張していつも以上に全身に力が入っていたせいもあるのかな。
振り返ると南岳への絶壁が迫ってくる。正面を向くと北穂高岳山荘がよく見える。少し目を下げるとこれから向かう長谷川ピークが「でん」と構えている。
給水とエネルギーを補給してからいよいよ第二の難関である長谷川ピークへと向かう。Hピークまでは普通の縦走路で特に問題は無い。でも左右とも崖であることは間違い無い。
←獅子鼻が大きい
北穂全然近づかない→
↓長谷川ピーク全景
ここからは基本的に登りとなる。長谷川ピーク手前ですれ違う人と「どうでした?」と聞くと、「飛騨泣きはちょっと怖かったけど、長谷川ピークはたいしたこと無いですよ。でも基本的には怖いかな(笑)」と。
まぁ人それぞれ感じ方があるので話半分で歩き始める。岩場を登りふと岩を見ると[Hピーク]の文字が。岩の反対側を覗くと絶壁。ムズムズしてくる。(当然写真をとる暇無し)高度感があり、必要以上に鎖、岩、ロープを掴む手に力が入る。三角状の大きな岩を飛騨側に大きくまたぐ箇所では手がかりはあるが足がかりが見つからず岩にしがみつきながら慎重に歩く?動く?這いずる???ザックが重く、重心が高いので合い言葉の「慎重に慎重に、集中集中」と声をかけながらHピークを無事通過。A沢のコルに着き一休み。最初の休憩ポイントから約1時間で到着。
長谷川ピーク付近で。映像には見えないけどけいこの足下は何も無い→
A沢のコルはザックを下ろしてゆっくり休憩出来る最後の場所↑
↑後ろに見える大きな岩が長谷川ピークです
これから北穂へ続く岩場です。
「いったいどこを登れっていうのか」って感じです→
←飛騨泣き
←Hピーク