2009.9.5-6 立山と剱の展望台 in 針ノ木から種池縦走 二日目終盤


やっと爺ヶ岳の文字が出てきました

岩小屋沢岳への登りへ取りかかります。
鳴沢岳から新越乗越山荘までが約80mの下り。そこから170mの登りです。
ここまで、針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳と4つの2600m以上級の山々を200mほどのアップダウンを繰り返して上り下りをしてきたので結構疲れています。
ここからの登りはゆっくりと標高を上げていく感じです。

東側を見ると扇沢が眼下に見えるんだけど、あそこに降りるまでにはまだまだ水平?移動が続くんだよね。
日影で休憩を取りながらストレッチ、ストレッチ。


いよいよ扇沢の駅も近くに見えるようになり、工事のガーーンガーーンという音も近くに聞こえてきます。

やがて平坦な道にでて、柏原新道の入り口に到着です。
お疲れ様。

でも、本当の最後の登山道がこれから始まります(笑)
なんて、登山の終盤に来て、ちょっと嬉しい出会いでした。
雷鳥に出逢ったのは本当に久々だったしね。
珍しい雷鳥の羽を見つけたけど、山に置いてきました。
ちょっと時間は早いけど、ここで最後の一休みです。
ぼちぼち南側にはガスがかかりはじめたので展望はあまりなかったけど、相変わらず
立山から剱岳はバッチリ鎮座しています。
剱岳は、見る場所によりその姿をダイナミックに変えていくんだよね。
山って言うのは不思議なもので、
見た目には意外に距離があっても、ゆっくりでも歩いているとかなりの距離を歩けるんだよね。

なんか、
朝針ノ木小屋をでてから歩いてきたのが遠い昔のような気がしてきたよ。って言うくらい長い道のりでした。

ということで、
ある意味下山開始です。

←剱岳は相変わらず我らと共にあります。
見た感じが朝と比較しても全然違うのがわかるよね。
まぁ基本的に同じ山だから劇的には変わっていないけどさ(笑)

で、ここからはお風呂に入って、ご飯を食べて一路自宅へと向かいます。
で、食事なんだけど、久々に
「カツ丼」+「ざるそば」を一人前ずつ頂いてしまいました。
だって、流石にお腹空いていたからね。
しかし、車から降りるときとか、足の筋肉が硬直してしまって結構辛かったな。
まぁ、でも、その痛みとかを差し引いてもとっても楽しい二日間だったので、この
痛みもまた心地良しって感じでしょうか。

少し歩くとチングルマの群生地帯もあったよ

花の時期は見事なんだろうね


このヤマハハコは本当によく見るんだけど、
ちぃにぃはあまり好きで有りません
だから写真もすくないんだけどさ(笑)

初日(9月5日)
8:20 扇沢
9:40 大沢小屋
11:15 針ノ木雪渓(ノド)
12:40 最終水場
13:15 針ノ木小屋
全行程 4時間55分
休憩 30分
歩行時間 4時間25分
二日目(9月6日)
4:40 針ノ木小屋 2536m
5:30 針ノ木岳着 2820m
5:50 針ノ木岳発
6:40 スバリ岳 2752m
8:20 赤沢岳 2677m
9:25 鳴沢岳 2641m
10:05 新越山荘着 2462m
10:55 新越山荘発
11:35 岩小屋沢岳 2630m
13:00 種池山荘着 2450m
13:20 種池山荘発
15:30 扇沢出合 1350m
15:45 扇沢
全行程 11時間5分
休憩 2時間5分
歩行時間 9時間00分

この看板があちこちにあったよ
今年は特に熊が多いのかな?

小さい池も沢山あります。雪が多い証だね
最後のお花畑です
この雷鳥君(恐らくメス)は、登山道のど真ん中で、足で土をボリボリ掘っていたんだよね。
一体何をしているのかしばらく眺めていたけど、
少し移動しては地面を掘り、さらに少し移動して地面を掘りという行動をしいていたんだよね。

で、邪魔するのもナンだし、そーと遠くを歩いて行くと流石にこちらに気がついたみたいで慌ててハイマツの下の方に移動し始めたんだけど、そこでも木の芽をついばんでいて隠れる気配はなし。

この無警戒さが彼らの良いところナンだけど、外敵から身を守るにはもう少し臆病に鳴った方がよいような(^o^)

いやいや、人は襲わないし、登山者は追い回さないと解っているからノンビリしているのかな(^o^)

ここから種池山荘(2500m)までは、約130mの下りです。
ほぼ、山荘と同じくらいの標高まで降りると飛騨側へと回り込み樹林帯を歩きます。
なんか、道もだいぶ平坦になってきてそろそろ種池山荘かなと思ったけど、そんなことはありません。

←                 →
写真では解りづらいけど、
見事なトリカブト畑でした
本当にこれでもかって咲いていたよ

お花たちに背中を押されながら
登ります(^o^)

柏原新道は標高差にすると1000mを越える標高差があるけど、斜度としてはきつく感じません。水平に移動するところが所々に出てくることと、道自体が歩きやすいので意外に楽に登ることが出来る道だと思います。
でも、とはいってもしっかりと標高差はあるから
心してかからないと痛い目に遭うことは遭うけどね(^o^)
感想

このコースを歩こうと思ってあちこちのHPとかを調べたんだけど、あまり有効な情報が有りませんでした。
まぁもしかしたらきちんと紹介しているHPもあったのかもしれないけど、どれだけの山を越えていく稜線歩きなのかというイメージが自分自身に無かったので読み取れなかったこともあるかな。あと、あのアップダウンの連続を表現するのはなかなか難しいかなって感じです。

色々なところで紹介しているものを見ると、二泊三日のコースと書いている物も散見できました。確かにあれを一泊で歩くにはか、ある程度の山歩きの経験がないと辛いような気がします。距離が長いことにい加えて、アップダウンが連続するし、目の前に登る山がよく見えることで、また登るの〜って感じになってしまうからね。
それと、最悪なのがエスケープルートが無いと言うことかな。
これは実に最悪です。歩き始めたら最後まで歩かなければならないというのは意外に辛いです。精神的にね。
ということで、このコースはとっても素晴らしいコースだけど、ちょっと簡単にはお奨めすることはしません。(一泊二日の場合はね)

でも、逆に歩くことに問題がなければ、あれほど素晴らしい場所は無いと行っても過言では無いと思うほど良いコースです。
お花たちも沢山咲いているし、2500mをかなり越える稜線歩きを、しかもしっかりとしたピークを5つも越えることが、しかも一日で越えることができる、こんなコースはそうそう無いと思うし、何よりあの景色。これは何にも代え難いほどの景色です。

歩いている間中、常に左手には立山剱が共にあり、目を北に向ければ後立山の眺めが、フト振り返ると北アルプス南部の景色が一望できる場所なんてそうそう無いよね。
しかも登山道は整備されているし、危険な箇所はほとんどといって良いほどないし、まさに絶景を楽しみながら歩くことができるコースです。

まぁ針ノ木雪渓の高巻きと赤沢岳の登りで少し岩場があるので、そう言う意味では変化にも富んでいるコースとも言えるしね。

歩くコースとしては、針ノ木雪渓を登りに使い、種池へと縦走することをお奨めします。
逆コースだと最後に針ノ木雪渓を降ることになり、雪渓の下りにせよ、高巻き部分を降るにせよ、最後にあれが待っていると思うとちょっとゾッとするかな。

でもベストの選択は、初日ゆっくりと種池山荘に入り、時間があれば爺ヶ岳へ往復。二日目は稜線歩きを楽しみ針ノ木小屋へ泊まり。
翌日は早起きして蓮華岳の山頂で朝日を見てから下山って感じかな。

まぁいずれにせよ、コースタイムが長いことと、アップダウンが多いこと、エスケープルートが無いことなどを考慮して、余裕を持って歩くことをお奨めする場所です。

で、我が家が歩いた率直な感想として

非常に楽しかったよ。アップダウンというのは稜線歩きの醍醐味だし、山歩きにとって非常に重要なファクターである景色も花も堪能出来たし、多少の岩登り的な要素もあり、実に変化に富んだ飽きの来ない二日間でした。
テント泊装備での山歩きは久々だった、いや山歩き自体が今年は少なかったので足の筋肉にとっては非常に辛かったかもしれないけど、それはそれでまた楽しい思い出の一つとなるもんね。
それと、今回はストレッチを非常に重要視していました。
休む度にストレッチするのが良いとはよく言われているけど、普段の山登りでも周りの人たちを見てもそれほどストレッチをしている人は見かけないし・・・
まぁ朝準備運動している人たちはよく見るけどね(^o^)
我が家もご多分に漏れず、その仲間だったけど、今回は違っていました。それと足の付け根にあるリンパを刺激して股関節の可動域を広げるような事を特に意識しました。これは田部井さんが最近テレビで紹介していたことなんだけどね。
で、結果は本文中にも書いたけど、かなり良かったような気がします。
歩き終わった後、それから数日間の筋肉痛のすごさを考えると、歩いている途中でもっと足が辛くなっても不思議ではないような感じでした。
ということで、今後はよりいっそうストレッチとかを意識して歩くことを心がけようと思った次第です。って何か決意表明みたいな文章になってきたよ(笑)

まぁ、細かいことはどうでもよいけど、今回の山行は今までの我が家の山行の中でもかなり上位に入ること間違いなしって感じの山行でした。

長い時間を歩いて、しかも山の醍醐味を感じたいと思う人は是非お奨めします。

ということで、針ノ木岳から種池山荘の縦走のレポは終了でーす

最後までお読みいただきありがとうございます。


お疲れ様〜
やっと車までたどり着きました。

やっぱり最後のアスファルトの歩きが一番辛かったか(笑)

つまらないよ〜
扇沢の流れが強いことを物語る一枚です。

石とかが多いんだろうね。コンクリートが削られているのがわかるよね〜
このケルンあたりで休憩です。
ここまで来れば残りは1/3程度です。焦らずゆっくり行きましょう!

最後までお花たちのお出迎えがありました。
結構群生していたよ
アイスは美味しかったよ(^o^)
ここで最後の大休止をしていよいよ本当の最後の下りである柏原新道を下山開始です。
ここ柏原新道は結構な標高差があるところなんだけど、しっかりと整備された道です。
大きな石が敷き詰められていて歩きやすいのは歩きやすいんだけど、柔らかい靴だと足の裏には結構響くかなって感じです。
種池山荘は鹿島槍ヶ岳への基地となるため人が多いです。ビールで乾杯している人から、お菓子を食べているひとやらがざわざわとしています。
我らは小屋に入って
アイスクリームを頂きました。最後のエネルギー補給だよ〜

サンカヨウの実かな
で、ぶらぶら景色を眺めながら歩いていると、突然けいこが立ち止まり、こちらを振り返ったんだよね。
何かと思ったら、コイツがいたんだよね〜
久々のご対面〜
で、ダラダラした登りをゆっくりしたペースで最後の登りも完了です。
約40分ほどで岩小屋沢岳(2630m)に到着です。
あぁ疲れたよ。
これで登りはほぼ終了・・・のはずなんだけど、まぁ地形図には表れない軽いアップダウンはあるんだろうね。

危険な箇所?は一カ所のみです。
でも、普通に注意してあるけば問題有りませんよ

この池が山荘の由来なんだよね
正直汚い池です(^o^)
ということで、約15分歩いて無事駐車場に到着です。
朝4時30分に出発して、到着したのが3時50分。休憩は結構あったけど、
実質9時間程度は歩き通したことになるんだよね。
我が家の
山での行動時間の最長記録更新です。
でも、以外と疲れてはいないんだよね。
筋肉は非常に疲れている、というよりは
フルマラソンを走った時の足の痛みと同じくらいの辛さかな(^o^)
大町の市街がよく見える場所です。
朝早いときは八ヶ岳が見えるんだろうね

扇沢の駅が見えたよ〜
フト振り返ると、稜線の右側の方に種池山荘が見えます。
下ってきたときは、
もうここまで来たかと思うけど、登るときはあそこまで登るのかと見えてしまうのは良いのか悪いのか(^o^)
ゴゼンタチバナのみです。花より実の方がかわいいと思うよ

足下だけでなく、落石にも注意しましょう
こんな感じの登山道が続きます。
歩きやすいのは歩きやすいけど、石畳の上を歩いているような感じもするので、疲れやすいかも(^o^)
下り坂を終えてから黒部側に回り込んで並行に移動します。
が、以外と距離があります。かと思うとちょっとした登りもあり、なかなか歩きこたえのある最後のワンピッチです。
で、岩小屋沢岳をおり始めてから
約50分ほどで、無事種池山荘に到着です。
手前にテント場があったけど、とっても綺麗で広々として良い感じでした。

←これが最後の山頂からみた立山剱です

で、ここから扇沢の駐車場までが最後の試練の始まりなんだよね〜
アスファルトの歩道をヘイコラいいながら登ります。
目的も無く景色も無く車がビュンビュン飛ばす道をただ歩くだけというのは実に辛いものがあるんだよね〜
正直、今日一日の行程の中で一番辛い場所かも、なんてね〜
下りは我が家の足で2時間強程、コースタイムでは2時間30分ほど有ります。
今回のコースを歩いてきた最後の下りとしては、少し手強い感じがします。
でも、徐々に近づいてくる扇沢の駅などを見ながら、時々吹き上げる風を感じながらノンビリ下ります。

柏原新道から上を見上げるときれいな稜線が見えます。
ちぃにぃはこの景色は好きなんだよね〜
ガラ場の注意事項が書いてあります。
要は
息を整えて、落石の音が無いことを確認して、駆け抜けろって感じかな(^o^)
いったい、アザミとはどれほどの種類があるのかとっても不思議です。
季節場所を訪わず、アザミはかなり咲いています。

いよいよ扇沢の文字が出てきた
あと少しです(^o^)
小屋のトイレに書いてあったけど、最近の山小屋は「トイレはチップ制、事前予約は当たり前」なんだそうです。
やっぱり小屋としても宿泊しに来る大まかな人数は把握しておきたいのは当然だよね。
我が家もこれからは気をつけようと思います。まぁテント泊が多いからあんまり関係ないといえば関係ないけどね(^o^)

種池山荘のテン場です
広々としています。
気に囲まれているので風にも強そうです

言わずとしれた
ゴゼンタチバナです
まさに石畳という名に相応しい場所です。
柏原新道はこの様な場所毎に色々な名前を付けています。
奥の方に見える白い筋が針ノ木雪渓です。
この時期に雪渓自体が残っていることも、冬の時期に雪がとっても多いことを表しているよね。
しかし、あの雪渓の上から、ぐるーっと回って来たかと思うと、本当に良く歩いてきたと
自分自身を褒めてあげたいよ(爆)