2007.11.3 オオカミねぇさん妙義に参上
この山に対する思い入れがある人は沢山いると思う。
標高は最高峰の相馬岳で1103.8m程で、縦走しても直線距離は4kmほどしかない。データだけを見るとそれほどたいした山でも無い。
しかし、その実態はというと余りにも危険な山。ロープワークを熟達していない人は立ち寄るべからず、ソロでは立ち寄るべからずという非常に厳しい山。
この山は上信越自動車道が出来る前からもぅ何十回となくそばを通りその異様を見続けていたが、我が家にとって、妙義山というのは意識のどこかにはあったけど、それほど登りたいと思う山では無かったんだな。
でもそれが、身近になったのは去年のこと。我らが所属する山岳会の仲間が2年連続で縦走し「来年はちぃにぃさんを連れてこよう」と山頂で?山麓で話をしたことからである。なんて、大げさな書き方をしたけど、いつかはいってみたかった妙義山であるが、今回仲間のリダポン赤トロさんとカモシカクリちゃんに誘われて我らのんきな夫婦が魔の山妙義を縦走することになったんだな。
山に行くとなったら色々と調べるけど、調べれば調べるほど手強い山であることが解ってくるんだ。
50mの絶壁を登る。20mの断崖を下る。両側が切り立ったやせ尾根を歩くなどなど。しかも総行程が長い人だと10時間にも及ぶという。いやはや体力技術精神力がとっても必要な山なんだな、どうも。
最初に感想をかいてしまうのも何だけど、正直な所、我が家二人だけでなんの登攀装備も無く歩いたとしたらかなり危険なことになってしまう可能性があったかなと思う。
決して自慢では無く、穂高の縦走なども楽しくてしようがない体力もある程度の山の経験もある我らでもなかなか手強いと思ってしまった。
でも、幸い既に2年連続で歩いている二人と一緒に必要な登攀用具もしっかり装備した状態で歩いたのでとても楽しく歩く?這いずる?しがみつく?(笑)ことが出来たんだな。
ということで、楽しかった妙義山の思い出を徒然にご紹介します。
と、なんかいつもと語り口が違うな〜
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紅葉もちょうど盛りだったかな
真ん中にお月様があるのが見えるかな?
ここからは相馬岳へ一旦下ってからの登り返しです。
妙義山は岩の山というイメージが強かったんだけど、意外や意外岩場だけでなく普通の山?の様に普通の場所がかなりあるんだよね。
ここからは一旦大きく下って登り返して、天狗岳へと向かいます。
最初の下りは太い鎖で十数メートルほど下ります。その後は懸垂下降で下ります。
ロープを出さなければならないほどの危険度は無いんだけど、山行全体を考えた場合は体力というより握力を温存するためにもロープを使用した方が安全です。
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ここでちょいと一休み
眼下はまるで箱庭のような感じです
←登り切った所をしたから見たところです
青空をバックになんか格好良く見えるのは気のせいかな
で、ここからが妙義山の本番開始。
所々の分岐点にある人を脅かすような看板を見ながら稜線を目指します。
まず最初に現れるのが大きな岩の間をすり抜けるように登る鎖場。奥の院と呼ばれている場所。
長さはどの程度あったかな。トータルでは20-30m程か?
前日まで雨が降っていたので岩が滑りやすい状態だったんだけど、ホールドポイントがかなりあるので意外に楽々クリアできるかな。
大の字までは焼く40分ほどの登り。途中キノコ談義などに話を弾ませながらきつい登りを淡々と楽しく登りながら大の字の岩場の手前に到着。大の字は登山道から少し外れた岩場の上にあるのでそこまでひと登りして一旦休憩です。
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なぜか普通のポーズが取れない人が・・・
ここが登山道入り口です
計画書はきちんと提出しましょうね
我が家の装備はシュリンゲとカナビラとロープのみなので、先輩お二人からハーネスをお借りして、シュリンゲとカナビラのみを装着していざ出発。ちなみに我が家のロープは置いていきました。
さてここからがいつもの通りの調子に戻って書き始めよぉー
11月3日
<閑話休題>
で、ここで今回のレポの題名である「オオカミねぇさん云々」についての解説を
当然オオカミねぇさんとはけいこのことであるのは言わずもがなのこと
何がオオカミなのかというと、「怖い」「どうしよう」とつぶやきながら岩場をスイスイ登り、回りから怖かったらすぐに声をかけてと言われるとすぐに「こわーぃ」と叫ぶし、大丈夫と聞かれると「ダメぇ〜」と叫ぶんだよね。
でもカメラを向けて「けいこ」と声をかけると「ちょっと待ってぇ」と体制を整えて笑顔でにっこり(^o^)
まぁちぃにぃは慣れているから何とも思わなかったけど、リダポンとクリちゃんはどうも大受けだったようで、以降緊張の続く岩場での一服の清涼剤になったんだな。
回りから「本当に怖かったり危ないときに呼んでも誰も助けないよぉー」と何度言われても、大丈夫と聞かれるとつい「怖い〜」などと愛想を振りまいてしまうのが続いたんでついたあだ名?がオオカミ少年だったんだな。さすがに少年はまずいからおばさんいや違う(笑)おねぇさんにして「オオカミおねぇさん」と呼ぶことにしたんだよね。
なんて今までの経歴を見れば全然普通のことなんだけどちょっと面白くするためにこんな題名にしてみたわけです。
先も長いのでそこそこの休憩を済ませて歩き始めます。
ここからは本当に一気に下るんだよね。
途中水場と呼べないような小さな沢を二つ越え、本日の本番である茨尾根へと歩を進めます。
このあたりでちぃにぃは足を滑らせて尻餅をついたときに右手を捻挫してしまいました。あ〜情けないよね。でもこの時は右手首が痛いな〜程度だったんだけどね。
茨尾根の最初のランドマークである茨の頭に到着して少し休憩。持参したお菓子とかおにぎりを食べこれから先の危険な稜線へと備えます。
日帰り登山、しかも秋の登山で一日の行程が9時間程かかる可能性があることから出発は出来るだけ早くしようということで、朝五時半頃に妙義山の中の岳神社の駐車場で待ち合わせ。
我が家は前乗りで妙義道の駅でお休みしながら朝を迎える事に。道の駅には20台以上の車が同じように夜明かししていたんだ。さすが人気の山だね。
道の駅から待ち合わせ場所へ向かい、中の岳神社に着いた時に、近くにいたおばさんが話しかけてきた。
「神社の人ですか?」
「いや違いますよ。山に登りに来ました。何か用ですか?」
「いや〜私ら夫婦は昨日山で道が解らなくなったと連絡があった人たちを探しに来たんです」
「そうですか。で何か?」(こんな冷たい言い方はしていないけど)
等と話し始めると「地元前橋の3人組が道に迷って・・・」と話し続けるので、もし彼らを見つけたら教えて連絡して欲しい等と言われるのかと思い話を聞くけどいっこうにラチがあかないんだな。こちらは待ち合わせ時間なので急いでいるんだけど(`ヘ´) プンプン。
ちょっとイライラモードが入ってしまい「で、何が言いたいんですか」と聞くと「妙義山だといって甘く見ない方が良いですよ」だって。大丈夫、かなり畏れを抱いてここまで来てますから。
いやはや親切にありがとうございますと丁寧に挨拶して待ち合わせ場所へと移動です。いったい何だったんだろうね。遭難一歩手前の人を探しに来ていたので気が動転していたのかな。で、無事待ち合わせ場所に着いて、それからまた道の駅に隣接した登山者専用駐車場へと舞い戻り出発準備開始。
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さてこれがこれから向かう茨尾根の稜線です
一体どこを歩けば良いのかますます楽しみになってきます
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上から見るとこんな感じね
意外に足場は沢山あります
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もうほとんど恒例となっている看板です。
でもこれは本当なので皆さん信じましょう
これから進む茨尾根方面を見るとかなり手強そうな稜線で、一体どこを歩くの?って感じの場所。
まさにあの稜線の一番上を歩き続けるんだよね。いやはや参った参った(^o^)
でも結構楽しそうだよね。でも茨尾根に取り付くまでにはいったん大きく下らないといけないんだよね。
でもこれが稜線歩きの醍醐味か(^o^)
ここタルワキ沢は妙義の主峰である相馬岳と中間道の分岐となる場所。ここから先は岩場の経験豊富な人でなければ立ち入ることが非常に危険であるとあちこち看板が出てます。
簡単に足を踏み入れることのない様に丸太を置いている様です。
確かにこれから先のルートは岩場経験の少ない人にとっては地獄かもしれないよね。
ここから先は小さなアップダウンを繰り返す度に「あ〜」とか「ふ〜」とか皆のため息が漏れる中を着実に歩を進めながらやがて相馬岳の山頂に到着。
ここが妙義山の主峰で、三角点もあるんだよね。
ここの懸垂下降が一番長くて30m×二本
を使用しました
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こんな花も咲いてました
ヤマハハコの仲間なのかな?
←名前が解らないピークに到着です
天狗岳かと思ったけど違うんだよね
とりあえずこの岩場を登り切ったら裏妙義が目の前にどかんと姿を現したんだ。それと浅間山の雄姿もね。
よく見ると鼻曲山とか浅間隠山とか榛名山とかの山々もね。あいにく湿度が高いこともあったためか、富士山とかはよく見えなかったけどね。
木々も結構色付いていたけど、あいにくお日様は薄い雲に遮られていたので色があんまりきれいにでていなかったんだな。
でも、空の雲たちも徐々に晴れ始めているので午後には青空が見えそうな感じ。
ということで、これからがいよいよ本番の稜線歩きの始まり。
←出発準備完了
さてこれから山を登るための準備運動を一気に済ませます
詳細はマウスオンで(爆)
少し休憩してから今回の山行で非常に重要となる懸垂下降の練習を行うことに。
ロープを出して、エイトカンとカナビラを使っての下降です。ちぃにぃもけいこも初めての経験なので手順、ロープワークなどを教わりながら練習開始。
といっても、一回降りただけだけどね。
基本的には難しい事は無いんだけど、セルフビレイに体を預ける事に対する不安感、下降時にロープに思い切り体を預ける事に対する不安感などがあり、あまり格好良くはできなかったかな。
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これが大の字です
よい子の皆さんはマウスオンの様なことは
決してしないようにね(^o^)
ここからは下仁田富岡方面がよく見えます。晴れていたらもっと景色が良いんだろうね。
休憩中にリダポンが大の字によじ登っているのを横目で見ながら眼下に広がる景色にうっとり状態。
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このあたりからこんな看板があちこちにあります。
さすが魔の山だよね
←まずは軽い鎖場があるけど、鎖を使う方が
難易度ましそう(笑)
まずは妙義神社への急な登りからスタート。神社では今日の無事を祈祷して登山道入り口へと到着。
今年の台風の影響もあり、妙義山はつい最近まで全山入山禁止だったようで、今も台風の爪痕がかなり激しく残っているなかをまず最初の目的地である「大」の字まで歩き始める。