2005.12.31-2006.1.1 年越し山行 in 南八ヶ岳 硫黄岳
まずは小屋に行ってビールを買ってからテントへ潜り込んで乾杯。
気温は氷点下だけどやっぱりビールでしょう!美味しく頂きました。山頂の絶景も良いけど、山に登ったときに飲むビールは止められません。
絶対に。ビールか山かと聞かれれば、その回答は「両方!」でしょう(笑)
お腹空いたし暗くなってきたので早速食事の準備を始めます。今日は疲れていたので水を造る作業はお休みで小屋からお水を頂きました。
今日の夕食は
キムチ鍋&キムチ雑炊。それから持参したワイン
(だから荷物が重たくなるんだって(爆))
寒い中、汗だくになりながら、フーフー言いながら美味しくいただきました。
←このキムチ鍋を二回戦頂きました
美味しかった(^o^)

やっぱり締めは
キムチ雑炊でしょう
コップで飲んでますが、当然中身はBeer

小屋では350缶500円です
で、ふっとトテントの壁面を見ると、テントの中が凍っていました。ははは、笑うしかないよね。
ほどよい疲れと満腹感に誘われて、大晦日なのに8時前には就寝。
湯たんぽ代わりにお湯をプラティパスに入れ、ホカロンを張ってシェラフに潜り込む。
夜中に目を醒ましてテント内の気温を見ると
マイナス4度程度だった。こんなもんかと思いつつまたすやすやと眠りにつく。
人はこの程度の気温では全然大丈夫な事を確認しました(笑)
←凍ってます。
でも溶けないので意外と濡れません
朝5時頃にいい加減寒くなったので目を醒まして暖かい飲み物を造ることにした。ランタンを付けるとテント内が一気に暖まり気持ちよい。(テント内で火を使うときは換気を忘れずにね
ふとテントの壁に頭がふれるとカサカサと音がする。何かと思ってよく見るとテントの内側全部が凍っていた。いやはや参った参った。手ぬぐいできれいに氷を落として暖かい飲み物を飲むが、けいこはテント内が暖まったためか、シェラフから出てこないでまた眠りはじめた。ちぃにぃもすることがないのでウトウトしながら過ごすが、ランタンが危険なので、再びシェラフに潜り込み二度寝開始。
少し寝て、いい加減周りも明るくなってきたので起床!

解るかな?
テントの内側が全面、霜です
でもタオルで拭くときれいに取れます
これも溶けないので濡れません
トイレに行きながら小屋の温度計を見てみると最低気温がマイナス20度になっていた。
5時30分の時点でマイナス8度程かな。
ははは、これまた笑うしか無いよね。でも雪山では当たり前なのかな。
我が家の周りではクライミングに向かう人とか、山へ行く人たちが騒がしい。でも我が家は今日は降りるだけなので、のんびり朝ご飯を食べて
ゆっくり正月の雪山テント生活を満喫していた。
いい加減周りも静かになってきたし、テントに日が当たりポカポカしてきたので、荷物をまとめはじめる。
↑我が家はこんな感じです
↑我が家はこんな感じです  その2
本当は必要なかったけど、ワカンを持ってきたので(だから荷物が重たくなるんだって(笑))雪遊びをすることにした。
まずはワカンをせずに雪の中に入り、その次に同じ場所をワカンを付けて登ってみる。
少し急な坂を見つけてラッセルのまねごとをしてみる。何事も経験経験。
↑装着したところです
意外と沈むというか、意外と沈まないというか
微妙な感じのワカンです
↑ちょっと反則ですが、素手で装着中
グローブしたままで果たして装着することができるか、不安です
荷物を片づけはじめると、テントの中に置いてあったプラティパスの中身が凍っていた。まぁ凍るよね。これだけ寒ければね。
すっかり静かになった小屋の前で記念撮影を済まして、出発。
空を見上げると天気は抜けるほどの青空。気象庁大外れ!最近ほんとに良くはずすよね、気象庁さん。巨額を投じた最新式のコンピュータ入れた意味って本当にあるのかな。
本当は元日に硫黄岳に行く予定だったけど、天気予報が良くなかったので31日に登ったが、まぁそれはそれで良かったな。元日に登ることは来年以降に取っておこう。

ちょっと解りづらいかもしれませんが、
本当に透明な氷が・・・
焼酎のロックで使いたいです(笑)

小屋は正月モードです
マウスオンしてみて
肩にずっしりとのしかかる重たいザックを背負って下山開始。
アイゼンを付けようかどうしようか迷ったけど、昨日の登り道の事を考え、一部危険な箇所もあるけど、それを差し引いても歩きやすさを選択して、ザックにアイゼンをしまったままスタートした。
このあたりの判断もちょっと難しい所かな。確かに下山途中の数カ所ではアイゼンが装着していた方が危険が小さくなる箇所があったしね。

アイゼンも締まってしまいました
おかげでザックが大きい大きい


ザックが歩いてます(笑)

相変わらず気温が低いので、川面に氷の美術品が沢山出来てました。
途中、1−2m程の急な坂とか、雪が張り付いた木の階段とかがあり、アイゼンをしていないので、ツルツル状態。
慎重に降りていきます。でもアイゼン無いと歩くの速いだこれが。

前方に人が右岸の方を見ているので、一緒に見てみるとカモシカ君とにらめっこ状態でした。
↑氷が造る芸術品です
絶対に同じものはありません
↑八ヶ岳では良く出逢う、カモシカ君
約1時間20分ほどで無事美濃戸山荘へ到着。
早速美味しいビールを頂きました。でも二人で少しずつだけにしました。運転あるしね。
目の前に牛乳が湯煎してあり美味しそうに飲んでいる人がいたので思わず飲んでしまいました。
林道をダラダラと歩きながら、約4−50分ほどで美濃戸口に到着。
下りの場合は、トラバース道を歩かない方が早いことに気がつきました。
天気にも恵まれた、とっても楽しい年越し山行でした。
でも、疲れたなぁ〜
これを欠かすことはできません
これを欠かすことはできません
 その2
←やっとついたよぉ〜

疲れたよぉー
荷物が重いよぉー
感想
以前は雪山に行くことなんて想像もしていなかったし、氷点下の中でのテント泊なんて考えもしなかった。雪山というか冬山は年越しに雲取山程度かななんて思っていたのは既に過去のこと。
でもマイアイゼンもマイピッケルもしっかりそろえて、なんとか雪の中でお正月を迎えるまでになりました。
本当は一度も登ったことの無い山を雪山初心者である我々だけで登るのは危険が伴うことは承知なんですが、周囲の人たちの暖かいアドバイスなどを参考にさせて頂き、今回の年越し山行を成功させることができました。
一昨年天狗岳にも行ったけども、テント泊での雪山の山頂を踏んだ今回の山行は、自分にとってとても意味のあるものでした。
去年(もう一昨年のことか)の事故以来、本格的な初めての山行だし、あこがれの年越し山行だしね。本文中でも書いたけど、本当に山頂に立てたときには感無量で、涙チョチョギレ状態だったんだな、これが(笑)
正直言うと、山頂手前30分ほどのところで、余りに疲れていたので、けいこと帰ろうかと相談をしていたくらいなんです。でもあそこでくじけずに登り切って本当に良かった。
雪山というジャンルからしてみると赤岳鉱泉に泊まって硫黄岳に登るという行程は比較的簡単な部類に入るのだろうけど、我々夫婦にとっては色々な意味での重要なステップの一つであり、もの凄い充実感をあじ合わせてくれた素晴らしい二日間だった。
この感動は何時までも忘れたくないと思ってます。
でも、これ以上の山行形態に進むにはちょっと勇気というか覚悟が必要だな。今のところは八ヶ岳を一つ一つステップアップして行ければななんて、帰りの車の中でけいこと話していました。
来年は、小屋泊まりで硫黄岳から天狗岳の縦走かななんて、無謀な計画も考えてます。
年越しで八ヶ岳を縦走できたら幸せだろうな。

何にせよ、我が家にとって本当に色々な意味で新たなる一歩を踏み出すことができた今回の山行は決して忘れることができない2日間になるだろうな。

で今回の山の事についていくつか
これから先は自分のこれからの防備録的なものを兼ねて、散文的に書きます。
あくまでも参考程度に読んでください。山で起こることの全ての事は自己責任。
まずは美濃戸まで車で入ることについての是非について
これは非常に判断が難しい所かな
・車の地上最低高が低い車での突入は避けた方が良い
・4WDであることは最低限のこと、どんな状態でも4輪スタッドレス&チェーンは必須アイテム
・3日以上の行程ならば、行きは良くても、帰りに天気が荒れて林道が閉鎖になることもあるみたい
冬の行動食について
もっと積極的に行動食を取ること。
でも寒さのためにものが凍ることを意識する必要ある。
特に寒いと体を温めるためのエネルギー消費量も増えるたよりいっそうの注意が必要
その他について
・タオル、軍手は何枚あっても便利
・ホッカイロはとても重宝するので多めに持参する
・電子着火式のライターはやはりダメ。火打ち石式がベスト
・スコップはやはり必要か
・たわしは重宝するので忘れずに
・炊事用に敷物は持参すべし
・テント内でも、ものは確実に凍るので注意すること
・アプローチ用に重さ等を考えて4本爪を持参すると良いかな、やはり靴のままでの雪道歩きは危険が多い
こんな所かな
地図です ガーミンで採取したログ情報です GDBデータを欲しい人はどうぞ
12/31 8:00 美濃戸口
9:00 美濃戸
11:30 赤岳鉱泉着
12:20 赤岳鉱泉発
14:20 硫黄岳山頂着
15:00 硫黄岳山頂発
16:00 赤岳鉱泉着
総時間   8時間
歩行時間  5時間50分
休憩時間  2時間10分
1/1 11:00 赤岳鉱泉
12:10 美濃戸
13:10 美濃戸口
総時間   2時間10分
歩行時間  1時間40分
休憩時間  0時間30分