2004.3.21 雪山でも滑る? in 天狗岳 その1
      
3月21日 絶好の
皆様の助言とお心遣いのたまもので、我が家もとうとう雪山のピークを踏むことが出来ました。
まずはmugiちゃん(Team Ants 山旅の部屋)、この度は本当に色々とありがとうございました。おかげで雪山を堪能することができました。これからもアドバイスなどよろしくお願いします。


さて本編です。
我が家は、何せ雪といえば
リフトで登って滑ってくるものという認識しか無く、おまけに装備も必要かつ充分とはいえず、何かあったらすぐ下山。という意識で雪山を少しずつ始める事に。(本当はこれじゃダメですね。)
その結果、日帰り(又は短いアプローチ)で登れる場所、比較的初心者にも問題が無い所、できたらピッケルを使用しないで登れる場所ということで、前回は硫黄岳へ挑戦したが、無事?に見事に?敗退。
今度こそは、と山を探して天狗岳に決定。本当はテント泊でも良かったのだが、重い荷物はいやだという「けいこぢょうおう様」の希望と日帰りのフットワークの軽さを生かしたいため、この様な選択になる。これが結果的に大正解。
事前に所属山岳会のオーナーからも色々とアドバイスを頂き、夏山以上の事前情報収集を行い、天気とにらめっこしながら準備をはじめ、mugiちゃんにはピッケルまでお貸しして頂き一応準備は万端整って、いよいよ木曜日に。
本当は土曜日日帰りのはずが、けいこの仕事と体調の問題があり、急遽日曜日変更。
神様も味方になってくれたのか、日曜日は土曜日の嵐が嘘のような快晴になるとの予報が。
うーん我が家は今年も晴れ夫婦だな。やっぱり。

朝7時から歩き始めたいので、5時には起床。
朝ご飯を食べて、登山口である渋御殿湯の駐車場まで一走り。八ヶ岳の麓を走ることで信号が無く、快調に進んで駐車場着。この駐車場は公衆トイレも隣接しているので、次回はここに前泊しても良いかも。
前日から止まっている車には3−4cmの積雪がある。路面は完全凍結状態。
気温は車で測ると−8度。ちょうど前日から黒百合ヒュッテに入っていた副長さん(北アルプスに魅せられて)の記録だとヒュッテ付近は−18度だったそうです。
けいこが午前中の仕事から帰ってきてから、最後の準備をして出発。
今日は小淵沢にある道の駅「信州蔦木宿」へ。
ここは10時まで入ることができる温泉付きの道の駅なので、我が家の様な車中前泊組には最高の場所。
お風呂は塩素くさかったけど、源泉のみの湯船もありしかも夜間は通常500円が400円に割り引きなのでGood!
家を出発した時は雨交じりの空も、山梨に入る頃には曇りで、夜には星も見えていた。明日は晴れだと確信を持って、当然ビールを飲んでから就寝
3月20日
←お風呂の入り口です
説明するのがいやになる
くらいのおきまりの構図→
↑準備も完了して出発まえにハイポーズ↑
↑橋を渡って登山道へ
最初からアイゼンをつけて登り始める事に。登りはじめは尾根までのプチ急登(笑)
無事1時間くらいで尾根まで到着。休憩を取りながら空を見上げると真っ青。雲も見えない最高の天候。耳を澄ましても風の音も、鳥の鳴き声も、何も聞こえない。本当に「シーン」という音が聞こえる様な感じがする。
うーん最高!雪って音を吸収するんだよね。
←渋ノ湯八方台分岐にて
とにかく天気が良い→
ここから約一時間の展望の無い尾根沿いを黒百合ヒュッテまでトコトコ進む。時々木々の隙間から天狗岳の勇姿がのぞき始めると目の前に山小屋が現れる。
この小屋はどうやら太陽光発電をメインでやっているのか、山小屋独特のブーンという発電機の音が無い。これは良いと思う。山で発電機の奏でる不協和音は仕方がないとはいえちょっといやだった。
八ヶ岳は晴天の確率が高いと聞いていたが、そのお陰なのかな。
↑後ろに見えるのがトイレ
赤岳鉱泉もそうだけど、とっても綺麗です
↑黒百合ヒュッテの入り口です
↑大きなソーラーパネルが
これ以外にもたくさんあります
↓東天狗
↓西天狗
ここまではプチ雪山。ここからはピッケルを使用した本当の雪山。
でも周りを見渡すと、4本爪にストックとか、杖に長靴の外人さんとか、ピッケル、ザイルを片手に雪上訓練をしている人たちとか、装備も心がけも本当に様々。
うーん。でもお気軽雪山って感じの人が以外と多い。我が家も一歩間違えばこの人達の仲間入りだったのかな。幸い我が家の周りには正直に「ダメ」と言ってくれる仲間達がいるので良かった。事故は起こさないことが肝心だもんね。起きたことはしようが無いけど、起こる要素を極限まで少なくするのは登山する人たちの自己責任だもんね。
←小屋から東と西の天狗岳がとても綺麗に見えてます
身軽が一番ということで、けいこはザックをデポしてちぃにぃのザックに荷物を詰め替えて出発。といっても重い物は何もなく、フリースとかかさばるものばっかりだったので楽チン楽チン。
まずは中山峠を目指す。5分も歩くと到着。ここからは秩父方面の展望がすばらしい。本当は富士山も見えると思うのだが、今日はあいにく見えなかった。
ここからは岩と氷と雪のミックスルートの開始。
氷と雪は問題ないけど、アイゼンをつけての岩は非常に歩きづらい。本でも読んだ知識でとにかく岩にアイゼンを引っかけないように注意しながら登ると、ザック横につけていたテルモスが「おむすびコロリン」岩の隙間の奥の方へ入ってしまった。
体を岩の隙間にねじ込み、やっとの事で奪還成功。次回からはもっと気をつけないとね。
クリックしてみて 
拡大します
↑岩の中に潜り込んでます(笑)
岩場も無事抜け、天狗岳へと向かう急登になる。
アイゼンのツアッケ(前爪)をうまく利用してガンガン登る。でもアドバイス通り、ピッケルを使用した2点支持を慎重にしながら。
中途半端な登りよりキックステップで登る位の斜面の方が足首にも優しいし登りやすい。上を見上げるといよいよピークが近い、西天狗の丸い山容も綺麗に見える。
軽いトラバースの後、いよいよ山頂直下の急登に。鎖が雪に埋もれている位の積雪量の中、岩と雪のミックスゾーンを慎重に登る。
途中頂上手前の岩場に登るトレースがいくつかついているが、慎重にルートを見極めながら無事危険地帯を通過。人の足跡だけを信じるととんでもない場所に連れて行かれることもあるので皆さん慎重に。
↑やっと取れた(^_^)
↑北アルプスの絶景
←岩場を抜けると急坂になります
キックステップで快調に→
さあ目前に山頂があり、登り詰めると ・・・・・
こんな景色は見たこと無い!っていう位の絶景が目に飛び込んでくる。
天狗岳は展望のすばらしい山であると聞いていたが、これはすばらしい。
正面には南八ヶ岳の硫黄岳、赤岳、阿弥陀仏。左側には秩父の勇姿が。五丈岩が特徴の金峰山も見える。少し右側を見ると、南アルプス(甲斐駒、北岳、仙丈ヶ岳)、中央アルプス、独立峰の御嶽山、もっと右を見ると北アルプスが乗鞍岳から焼岳、穂高連峰、大キレットをまたいで槍ヶ岳、常念岳、もっと右には双耳峰が綺麗な鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山。振り返ると車山、美ヶ原、蓼科山から続く北八ヶ岳、その右には噴煙を上げる浅間山。少し下を見ると諏訪湖も見える。知っている限りの山の名前と形に思いを馳せながらの山座同定をすっかり堪能する。
↑写真では伝えきれないほどの雄大さが
←この笑顔が全てを物語っています
満足げなちぃにぃ→
↓奥秩父の山々
↓南アルプスの山々
↓ちぃにぃの足です

クリックして
歩き方
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