2005.5.6 思い立ったら岩木山
   
5月4日  
さて、何故岩木山なのか。
そもそも今回の東北湯治ツアーでは、八幡平の散策を楽しむだけのはずだった。でもそれが何故岩木山に登ろうかと思ったかというと、八幡平の後でいった「ふけの湯」で食事をしているときに青森県の観光パンフレットが置いてあり、そこで岩木山スカイラインの紹介をしていたのを見つけてしまい、そこには岩木山スカイラインが営業中であり、この時期(GW)になれば登山も比較的容易にできると紹介してあった。
今回の旅は予定が全て未定だったので、それではということになり岩木山へとチャレンジすることにした次第である。その為、どの程度の山であるか、どの程度の装備が必要なのかということを無い資料をかき集めて調べてみた。するとどうやら八合目までは車で行くことができ、そこからリフトで標高を稼ぎ、山頂まで往復でも2時間程度というではないか。現地に問い合わせて見ると雪はほとんど無いということであったので、山行決定となった。
本当はこんな思いつきの山行はやってはいけないのであるが、幸い八幡平に登った時の装備があるので、まぁ良しとしておこう。当然ちょっとでも無理だと思ったときは潔く撤退するつもりであったのは言うまでも無いけどね。
朝、キャンプ場を出発した。昨晩からかなり風が強くてテントを張るのも苦労していたが、それが朝になっても続いていた。
キャンプ場から岩木山スカイラインまでは車で10ー15分程度の道のりであるので、のんびり走っていると、所属山岳会のF木さんから連絡が・・・
「今実家に居るんだけど。窓から岩木山が見えるよ」「え???」「もう少し早く岩木山に登るのが解れば一緒に行ったのに〜」「うーん残念ですね。またの機会を楽しみにしてます」と思いも掛けない連絡がありちょっとびっくり。全く世の中狭すぎです(笑)
スカイラインの入り口につくと、受付の昔は華麗だったと思われるお姉様が「今日は風が強いからリフト止まっているかもしれませんが・・・」と。
こちとら、登る気満々で来ているのでちょっと水を差されたが、まぁとりあえず駐車場に行ってみないとわからないよね。ということで1780円(だったかな)を支払い、八合目の駐車場目指してGO!
このスカイラインは本当に人工的な道で、同じ直線距離、同じアールのヘアピンカーブが山頂まで延々と続いている。地図で見ても思わず微笑んでしまうほど、きれいな造形をしている。
なんて考えている内に無事到着。
で、リフトを見てみると動いていない。天候の案内の看板を見ると風速15−25mだとさ。確かにここ岩木山は、平地に忽然と盛り上がっている独立峰であり、しかも海に近い、それも北の海。これで風が強くない方がおかしい。
リフトが無くても歩いていけば登れないことはないとも思ったし、既に斜面に取り付いている人もいる。スキーを担いで登っている人も・・・
でも我が家はピッケルなどのいわゆる冬山装備を持っていないため、万が一転倒などした場合はとても危険であるため、今回は中止とすることにした。
ちょっと山行中止を決めることを躊躇したけど、今思い返すとあの状況で登るのは無茶を通り越して無謀といわれても仕方ない状況だったなと思う。即決できなかったちぃにぃはまだまだ甘いななんて思ったりして(笑)
↑風速15-25mだってさ
↑この斜面を登るのは危険だったね
↑車で待機にあきたけいこです(笑)
で、岩木山は遙か彼方先に登ることになるのかなと思っていたけど、何故か数日後に再度チャレンジすることになってしまったんです。
まぁ何故数日後にまた登ることになったのか、その間どこに行っていたのか等は、「何でもあり」のコンテンツにアップしている「彷徨える子羊たちを導くものは」をご笑覧ください。
というわけで、レポ上は5/6になります。
5月6日  
今日こそは岩木山リベンジを果たすべく捲土重来。再び1780円と貴重な(笑)時間を使って岩木山へと向かう。スカイラインを一気に登り八合目に到着。今日は無事リフトも動いている。
でも、風は相変わらず強い。風速がどの程度が解らないが、先日と比較しても遜色ないくらいの強さである。リフト乗り場のお兄さんに聞いたら「ここの風はいつもこんな感じですよ」と言われた。

準備完了して出発でーす
スキー板も付けずにリフトに乗り込み、山頂を目指す。リフトが余りにゆっくりなので結構寒かったりして。リフトを降りると、東屋があり、ここに入って準備運動をしてから出発。
登山道にはほとんど雪は残っておらず、時々雪解けの水たまりがあり足下は結構ぐちょぐちょ状態。
時々残雪の上を歩くが、ほぼ問題はない。
←ここからが登山開始です
標高1470mです
海側(西側)からの風が強く、コルになっている部分には風が集まるせいか、より風が強く感じる。
今日でこの程度の強さなのだから先日はもの凄いことになっていたんだろうなと思わせる。やっぱり中止して正解だったね^^
しばらく歩くと結構な斜度になってきて、足下はかなり不安定になってきた。ガレているというほどでは無いが、雪解け直後といういうこともあり、石は不安定な状態になっているでの落石に注意しながら登る。途中は結構よじ登るような箇所も数カ所ありそこそこには楽しめる。といっても手は使わないでも大丈夫な程度だけどね。
山頂手前で上からおばさま達二人が下りてきた。彼女らは運動靴というにも貧弱な靴に普段着のまま登っていた。ちょっと無謀だよね。少し話をすると、どこに足をついて良いか分からないと言っている。
確かに岩がゴロゴロしているので、一見すると解りづらいがよく見れば踏み跡はわかるので、何を判断して下りれば良いかということを説明して、浮き石などに気をつけるようにとアドバイスしてあげるが、ちょっと心配。でもしようが無いよね。自分たちで登ることを判断したんだから。でも万一天候が急変して雨などが降ってきたら冗談では無く遭難騒ぎになりそうな感じがした。人の振り見て我が振り直せ。なめちゃいけない山登りだよね。
←結構な登りでしょ

木の階段は雪の影響か
崩れています
←写真より実際の方が傾斜が強く感じます
登り初めて40分程度で無事山頂に着いてしまった。ここでデジカメの電池が残り少なくなってしまったので、山頂からの絶景を沢山撮影することができなくなってしまったのがちょっと残念だった。
ということで、言葉の解説でご勘弁をm(_ _)m

1628mの山頂です
歩き始めから160m弱の標高差
あっという間の山登りでした
山頂からは日本海にのびる津軽半島が本当にきれいに見える。東側の足下には弘前の市街から八甲田まで続く平野、南は白神山地のきれいな姿など本当に360度遮るものはなにも無い状態。
遠く北の方には、北海道の山脈が見えていた。
←白神山地方面を見ながら考え事でもしているのか
それとも「ビール飲みたい」なんて思ってたりして

弘前市街から八甲田を望む
山頂で15分くらいボーとした時間を過ごしてから下山開始。
下山途中で先ほどすれ違ったおばさま達を追い越した。彼女らはコースタイムが2〜30分程度の所を優に1時間以上もかかって下りている様だった。「怪我したらいやだから」と言っていたが、失礼だけど心の中で苦笑してしまった。まぁでも事故が無くて何よりです。
で、あっという間にリフト乗り場までついてしまい、無事駐車場に到着。
リフトの時間と休憩時間を合わせても2時間程度の短い、でもちょっと楽しい岩木山でした。
駐車場では五平餅とこんにゃくを食べてからスカイラインを一気にくだり降りて、東北湯治ツアーの続きへとつっこんでいったのである。
この続きは「彷徨える・・・」でね
←こんにゃくを加えながら五平餅を食べるのは無理(笑)

ビールの代わりに五平餅で勘弁してやるか
なんて言葉には出さないけど、心の中で叫んでいる

山登りの汗(掻いていないけど)は
後生掛温泉(ちょっと遠かったけど)
で洗い落としました
感想
岩木山という山は、絶対に見る価値の在る山である。例え登らなくても見るだけでも価値はある。
何故かというと、それは弘前の街に行ってみればわかります。あれだけきれいな山はそう滅多にお目にかかれないと思う。恐らく岩木山の姿を見ることができる場所で生まれ育った人にとっては、お国自慢の最たるものだろうと思う。
登ってみた感想であるが、車&リフトを使用すればとにかくラクチン登山ができる山であることは間違いない。でも、山頂付近は風も強く、足下も結構不安定なので、観光旅行ついでに登るにしても、ある程度はしっかりした装備で登ることをお奨めします。
まぁ全行程がゆっくり歩いても2−3時間なので問題になることは無いと思うが、その油断が命取りになりかねないので心して行った方が良いです。事故はなくて当たり前。

岩木山は、春スキーでもとても有名な場所の様であり、山頂から4方向に伸びる最長10kmにもなるコースがあるみたいである。今回も登山に来ている人たちはほんの一握りで、90%以上は春スキーを楽しみに来ているみたいである。
途中でスキーヤーと話をしたが、毎年GWの時期を楽しみしているそうである。確かに楽しそうである。今度是非行ってみたいなと思ってしまった。
でもちょっと遠いよね。

最後に、これで八幡平に続いて百名山の安直ゲットに成功しました(笑)
本当は八甲田もロープウエイで行って、東北100名山3山制覇をもくろんだけど、さすがに止めました。まぁ今年は事故の後でもあるし、こんなもんで勘弁して置いてくださいな。

ということで岩木山レポも終了でーす。
ここもコースタイムなどを書く必要がないくらいの山登りですが、一応参考までに簡単に


10:06 リフト山頂駅
10:44 山頂
11:30 リフト山頂駅
リフト乗車時間は5分程度