2004.11.20 初級登山講習会 in 筑波山
   
山を始めた頃、登山とは一体どの様なものか。コースタイムってどの程度信用して良いのか。何を持って行けばよいか。地図ってどう見るの?計画ってどう立てるの?とにかく何もかも解らない事だらけで始めた。
周りには登山経験者はおらず、参考書と言えるような物も私が疑問に思っていることに対する回答にはなっていなかった。
でも唯一NHKの中高年のための登山学という番組の教本が販売されていたのでこれを元に独学で山に対する意識を高めていった。
でも読むのとやるのでは全然違うし、何が解らないかは山に入ってみて初めて解ることなのでその都度迷いながら学習していった。
山に登りはじめの頃は、自分も余裕が無かったこともあるし、周りの事を気遣う余裕も無く、同行者の行動にイライラしたり、自分勝手な行動をしてしまったこともあり、知らず知らずの内に迷惑を掛けていたことも多々あったと思う。
しばらく山に登り、ここ数年は仲間も増え、その仲間内では自分が一番登山経験もあることから必然的にリーダーとして引率(基本は個人山行の延長だが)するようにもなってきた。
その中で自分なりの登山学なるものを築きつつあるが、所詮素人が経験の上で身につける事ばかりなので、技術も知識も中途半端である。(まぁほとんどの人がこの様な状態なので余り悲観はしてはいないが)
ある本にはリーダーなら20m×8mm程度のザイルは持って行くのが当然というような事が書いてあり、そうなのかなと思いつつも実際には購入していなかった。ザイルを持っていてもどの様に使うか解らないし、どんなときに使うかも判断がつかないし、間違った使い方をすることで逆に大きな事故に繋がる事もあると思っていたからである。
徒然になってしまったが、冬山の縦走を行う事を計画しているが、危険な箇所ではザイルで確保する必要があるということは理解できるが、雪の山の中でどんな場面でどんな使い方をすれば良いか全然解らない。
とにかく山をやればやるほど解らない事が増えていき、でも山には登れるし、まがりなりにも初級の雪山も登ることが出来た。
でも最近はこれが限界って思い始めていた。
今まで経験した以上の山行形態を取るためには今のままでは絶対に無理。
スキーとかバイクの様に自分が体験した事だけを積み上げていくだけでは限界である事を本当に強く思っていた。
では本で知識を吸収すればよいかというと、それだけでは無理。それはスキーの教本とかで嫌と言うほど認識している。自分が到達していないことを幾ら説明されてもそれを本当に意味で自分も物にするのには時間が掛かり過ぎるし、ある一定以上の事になればそれは無理である。
っで、そんなことを思い始めて色々と探したりしているときに、人生でも山でも大先輩であるBAKUさんから初級の登山講習会を開催するので是非参加してみてはという声が掛かった。仕事の都合でいけないかもしれなかったが、何とか都合を付けて参加することにした。場所は筑波山。参加者は私を入れて6人。
普段色々と疑問に思っている事もあったのでそれを胸にしたため当日を迎えた。

今回は山登りが目的では無く、一番の目的は鍋宴会(笑)いやいや登山講習会なので山登りの事より、登山講習会で教わったことをメインに、自分の思いとか感想とかを列記する形式で書いていきたいと思う。でも途中でどうなるかは未定ですが(笑)
今回BAKUさんが教えてくれた事で特に印象に残ったことを二つだけ列挙する。
もしかするとBAKUさんが意図していた事とは違う様になるかもしれないが、自分は自分なりに感じ、考えた事なのでお許しください。
・基本と応用(手段と目的と置き換えても良いかも)
今回簡単なザイルの使用方法(懸垂下降、緊急時に人を背負う方法、難路での確保等)とかテーピングによるレスキューを教わったが、その一つ一つの技術、論理は非常に大切であり、習得しなけばならない事であると思った。
でもそれ(手段)を習得すれことが目的なのかと言えばそれは違うと思う。
BAKUさんは基本を会得していることでそれを実際にどの様に使用すれば良いかを考えることができるという趣旨を何度も説明されていた。
まさにそうだと思う。以前どこかにでも書いたが、山は生き物であり、一日、いや数時間立てば状況は一変してしまうことばかりである。またその時の体調やパーティーの力量、天候、それまでも行程等、余りにもパラメータが多すぎて杓子定規にこれをやれば問題ないということなんか一つとしてない。
基本はしっかりと押さえ(今回で押さえられたかと言うと全然ダメですが^^;)、その知識があるという下地が積み重なれば自然と応用が利くと思うので、今回教わったことを噛み締めて応用が利くようにしていきたい。
・リーダーとしての責任と心得
人が集団になったとき、絶対に必要な物がリーダーである。
これは山登りに限ったことでは無く、ある目的を持った集団が行動する際に必要不可欠な物であると思う。
リーダーが果たさなければならない事としては、集団の安全を(出来うる限り)確保しようとすることであり、目的へ向かって全員の目を向けさせることである。
あえてここでリーダーシップとう書き方をしなかった理由はリーダーシップは皆が持てば持つほど良い物であり、リーダーを補助する事に専念する事を自分に課すというふうなリーダーシップもあると思ったからである。
で、これと合わせてもう一つ山行に参加する人たちが心得る必要があることがあると思っている。
それは自己責任ということである。リーダにはリーダとしての責任があると同時に、メンバはメンバとしての責任がある。それぞれがお互いが負わなければならない責任を常に意識して、お互いが自分自身のリーダに慣れなければ山に登るのは止めておこう。少なくとも低山で沢山の人が歩くハイキング程度の山にとどめておこう。アルプスなどには行かない方が良い。
例えリーダに連れて行ってもらっても、事故に遭えばそれは自分の責任と思えないならその山行のメンバになるのは止めておこう。少なくとも、我らの仲間ではそのことを常に意識できるようにしていきたい。
これ以外にも沢山の事を教わったが、ここは登山教室でも無いし、何か技術的なことを載せる意味は余りないと思うので今回は書くのを止めることにする。
というより、何かを載せるほど自分がマスターしていないので中途半端なものを載せるのは遠慮したいからであるが。

最後に今回の簡単な山行記録としていつもの調子で少しだけ書きます。
登山口に集合したのは10:10頃。
既にBAKUさんはじめ、ヒバリさん、さーたん、やよさん、ゆかりさんは到着していた。BAKUさんヒバリさんと久々の再会の挨拶を交わしてから準備に取りかかる。今回の山行目的は第一に訓練、第二に鍋宴会である。
出発前にはBAKUさんの簡単な歩き方などの説明を受けてから男の川登山道を山頂目指して出発する。
少し歩いてから皆で挨拶をするのを忘れていたので、登山道の真ん中で自己紹介を始めた。
みんなかわうそ山岳会の仲間でちぃにぃ一人が部外者であったが、何故かちぃにぃの事も、今日は不参加のけいこの事もご存じのようであった。
ある限られた範囲のネットの世界では少しは有名になっているみたい。これでますます悪いことが出来なくなってしまった(笑)
→ 
出発前の準備運動は大切です

男の川登山道は表登山道とは雰囲気が全然違います

水は枯れていますが、沢です
男の川登山道は小さな沢を何度か渡りながら標高を上げていく。表登山道ともキャンプ場の登山道とも雰囲気が全然異なり、まるで同じ山を登っているとは思わせない。
少し歩いては小さな休憩し、その都度BAKUさんが色々な話をしてくれて、メモを取る手も忙しい状態が続く。
しばらく登ると水場に到着。筑波山に水場があるとは思っても見なかったが、延命水と名付けられた水はとても美味しかった。

筑波山に水場があるなんてちょっと
不思議な気がします。
でも低いと言っても山は山ですね
水場を登って少し開けた箇所で今日最初の実技訓練となる。
立木を2本利用して、崩壊した斜面又は雪の稜線を想定して補助ロープをかけるという想定。
ロープの結び方、カナビラの使い方、確保の方法など一通りの事を教わり、いざ実践。
でも最初からロープの結び方でつまずいてしまう。何とかこなしたが、実際の場面でこの様な事をするにはまだまだ練習が必要だと実感させられる。
続いて懸垂下降の練習に移る。
懸垂下降といっても色々なやり方があり、今回教わっただけではそれを実践しても見ようとは思わないな
教わったことは、危険なトラバースでのロープによる確保方法
簡単な懸垂下降などなど

本で読むのと実践するのでは全然違うので、とても役に立ちます
結構良い時間になっていたので、斜面での訓練を終了して山頂を目指すことにした。斜面は結構滑りやすくて、時々すってんころりんしそうになりながら、稜線へでた。
御幸ヶ原へ出てみると、さすがに観光地である。人がロープウエイ乗り場に行列を作っていた。
いやはや参ったね。

我らは広場を見つけて早速食事のj支度を始める。
山での食事は山登りの一つの楽しみでもある。それが大勢で一緒に食べることが出来るときは尚更楽しさが倍増する。食事をしながら、訓練の時の話とか、色々な山の話題に花が咲きあっという間に、鍋の中身も無くなり時間も過ぎていってしまった。
お腹もこなれたので、ここから勉強会第二弾の開始。
ロープを使って人を背負う方法の練習である。20m×8mmを使用しておんぶひもを作成して担いでみる。思ったよりうまく担ぐことが出来た。
人を担いで山を歩くことは基本的にできるとは思わないが、万一の時に役に立つ可能性があるかもしれない。
みんなかわりばんこにおんぶしてみた。
↑テーピングによる固定も勉強しました
結構良い時間になってきたので、下山を開始する。11月なので、日が暮れるのが早く、空はうっすら暗くなってきた。
駐車場に着いた頃にはすっかり真っ暗になってしまったが、記念撮影をして、また再開を約束して勉強会をお開きにした。

最後に、今回の様な勉強会を開催して頂いたBAKUさんに感謝を申し上げたい。
ありがとうございました。