2013.4.13-14  高瀬真一ナショナルデモと
旭潤子SAJデモのコブキャンプ in八方尾根
スキーを始めてから人にスキーを教わる経験はほとんど無いままに20年以上を経過し、3年前から準指導員検定を受けることになり本格的な指導を受けるようになってからスキーというスポーツに対する自分なりの考え方が少しずつ論理的になってきました。
でも、準指導員の講習はあくまでも先生になるための指導であり、実践系の滑りの基礎に成るとは思うけど、それがテククラへの技術には繋がらないでいました。
実際にテクニカルではコブでは75点がでるけど、大回り小回りでは73点とか72点でした。
まぁ要は実践系の講習を受けなければこれ以上の上達はないのかなんて考えていた今日この頃でした。
そんな時においらの準指導員合格の恩人とも言えるSさんからコブキャンプを八方尾根で開催するので参加しませんかというお話を頂きました。
一時期は一年の大半をコブだけを滑り続けて、ほぼ全て我流でコブを滑ること20年以上。周りを滑る上手な人の滑りを見ながらどうすれば良いのかと試行錯誤を続けながら、もの凄い深いコブを滑る際の言葉では言い表すことができないほどの恐怖感と戦いながら何とかコブを滑ることにかけては何とか一人前になってきていたのですが、ここ数年はちと停滞気味なところにGoodなお誘いでした。
二日目は高瀬デモからコブ斜面での体の動きを基礎から教わりました。
何をしたかというと、斜面を木の葉落としの要領で横滑りしながら降りるというもの。言葉で説明は難しいですが、板のテールを落とす動作を足首を開放しながら体を逆に捻り、その次は板のトップを落とす動作を足首を折り曲げながら先ほどとは逆に体を捻るというもの。
最初に高瀬デモの動きを見た直後の動きは完全に逆の動きになってしまい頭の中は????マークが乱立。
何度か滑るうちに体の動きとスキー板の動きと足首の動きが連動できるようになってきました。なるほどそうすれば良いのかということは理解できたのですが、この時点ではこの動きがコブの中でどの様な動きになるのかということが全然理解出来ずにいました。
正直、コブ斜面を沢山滑った方がよいと一瞬思ったのでしたが、その考えは後で完全に覆されましたけど(笑)

で、リフトに乗ったときにすかさず質問攻めで何を意図してこの様な運動をしているのかを聞きまくりました。
その時の説明は、スキー左右軸の動きを実現するための基礎的な運動というもの。ますます解らなくなったのでさらなる質問攻めでやっとデモの説明していることを理解しました。スキー左右軸の動きと前後軸の動きと上下の動きの3つの動きをどの様に複合して行くかということがスキー操作の基本であるという説明でした。この説明は非常に理解しやすく、自分の感覚をもとにさらなる質問攻めをしながら理解を深めていきました。

この運動はコブ斜面の運動に特化したものではなく、普通の大回り小回りでも同じ動きになるということ。
更に、その動きを自分から積極的に働きかけていくように運動しているということ。これは今年の指導員研修会で説明を受けた内容とも合致しており、その時は良く分からずに指示された運動のみをやっていたことの意味がようやく理解できました。
これをコブ斜面での動きの中で実践するためにはコブ斜面の始動時のスキー板の先落としをするために足首を伸ばしていくこととターン後半で足首を詰めることによりニュートラルへ体を持って行く動きをスムーズにすることができることに繋がります。
これができることによりスキー板が斜面に常に接していることができるようになり、スキー板による雪面への働きかけができることでスピード、ターン弧、滑るコースをコントロールしやすくなることに繋がることになります
今までスキー板と雪面のコンタクトについてはかなり意識してきたんだけどなかなか実践できずにいて、でもなんとか板を操作するために脚部を無理ヤリ捻って運動をしていたんですが、この無理な動きではコブの感覚が短くなったり、タテに深いコブが連続するときにはかなり無理があり、ロケット発射を繰り返していたんです。
で、高瀬デモから教わった体の動きコブの中を非常にゆっくりしたリズムで横滑りを繰り返していくことで今までの感覚とは異なる感覚の中で、コブの中のどこの場所で足首の動かしていくのか、スキー板をどの様に操作していくのかということを理解できるようになりました。まだまだゆっくり滑ることができないでいたのですが・・・
で、最後に黒菱を上から滑ることになり、その中で少し実践的な滑りを自分なりに試してみたところ、今まで感じた事がない感覚で滑り降りることができるようになりました。
コブ斜面前半でスキー板のトップを雪面に対して落としていくことができるようになったんです。
10ターン位を数回繰り返して滑り降りる中で高瀬デモからの指摘を実践していくことによりさらなる新たな感覚を得ることができました。
かなり、いやもの凄く感動した瞬間でした。
今回先生となっていただいたナショナルデモ高瀬真一さんとSAJデモ旭潤子さんのお二人。お二人とも全日本の技術選で上位に入る現役バリバリのデモンストレーター
初日は旭デモの講習で、二日目は高瀬デモにコブの極意を教わりました。

旭デモからはハンドワークの極意を伝授されました。
ポイントはストックのリングを出来るだけ早く前に降り出すことにより、コブ斜面の谷周り前半部分での外スキーへの働きかけを行うことが自動的にできるというもの。それに併せて逆側の手を前側に持って行くことによる体のローテを防ぐこと(=逆ひねり)と次のターンの始動を早くすることができることを意識すること。
これを実践することにより、ターン後半までの時間に余裕ができるため次のニュートラルへ向かうための準備ができるようになるという特典が付きます。
これはニュートラルに向かうまでに必要な体の動きを逆算的に考えていくという理解でした。
最近タテに深いコブなどを滑るときに体が遅れてしまって無理ヤリ脚の運動でターン前半をこなして体力のみで破綻を防ぐ動きをしていたことが無理なくクリアできるようになりました。
「コブでは手を前に」ということは人にはよく言っていたのですが、自分がそれを指摘され、それを実践することで非常に楽にコブを滑ることができるようになったことに非常に感動を覚えました。
また最後の一本での指摘に右手の肘が回り込んでしまう指摘を受け、それを次の改善ポイントとして有効な宿題を頂きました。
ちょっとコブに対する体の使いかたを感覚として実感することができ非常に貴重な時間を過ごす事ができました。
     
で、二日間の講習が終わって有志によるうさぎ平ゲレンデのコブ斜面のフリー滑降で非常に短い間隔のかなり掘れた深いコブを滑ってみたんです。
今までの滑りでは絶対に体が山後側に残ってしまい、斜面に対して体が付いていかずに無理ヤリ滑り降りる様になっていたのですが、今回はゆっくりした滑りではありますが、短い間隔の深いコブでもスキー板と雪面のコンタクトを保ちながらスキー板を自分が思った通りにコントロールすることが出来たんです。

繰り返しますが、もの凄く感動しました。

競泳の岩崎恭子ちゃんが言った「今まで生きてきた中で、一番幸せです」という言葉が、有森裕子の「初めて自分で自分をほめたいと思います」という言葉が頭のなかでグルグル回った瞬間でした(笑)

とかいう感じでとっても楽しい二日間。スキー生涯の中で一番上達度を実感出来る二日間でした。

いやー旭デモ、高瀬デモありがとうございました。
またおいら達を暖かく迎えてくれた皆様、感謝の一言しか有りません。

これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

やっぱりスキーは辞められませんな〜