次は三回目の養成講習会です。
三回目は車山高原スキー場での養成講習会です。
なぜ車山で講習をしたかという理由を少し聞いたら、スポーツマンコースなどの急斜面を滑ることで斜面に対する恐怖心を取り除くことができるということみたいな、まことしやかな話がありました。

ここで、今回の養成講習会以後も含めて非常にお世話になったMコーチに教えてもらうことになりました。
Mコーチの教えてくれる内容はとても実践的で、具体的で、非常にわかりやすいのが特徴です。

普通理論と実践にはある程度の乖離なり、飛躍などがあり、理屈でわかっていたとしてもそれを自分の身に置き換えるには工夫が必要となるんですが、Mコーチは理論は理論として非常に具体的に説明してくれるだけでなく、かつ実践になった場合にどの様にすればそれができるかということを具体的なコツまでも含めて、理解する人が理解しやすい方法で教えてくれるんです。って、褒めている訳ではなく、事実思っていることなんですけどね。

で、三回目ということもあり、より種目を実践的に教えてくれたんです。
この時に教わった内容が実は今の滑りの基礎的な部分になっていると思うくらいかなりインパクトがある講習でした。
で、言われたことを言われた通りに実践して、多少は褒めてもらえるようにまで上達しました。
この頃から本番まで残り2週間となっており、実質的に滑ることができる日数も数日となっていたこともあり、そろそろ自分の滑りを確定させ、それを確実にこなす段階になってきているはずなんだけど、そうは問屋が卸しません。
実践系はなんとかなりそうな感じなんだけど、やっぱり低速系がくせ者です。
色々なコツを教わり、講習が終わった後に友人からのアドバイスなどを頂き、何とかものになりそうなところまで持って行くことができました。
ここで一番教わったことで印象的だったことは、両脚の長さを変えると言うことです。外脚の軸を長く取ると言うことなんです。
これはSAJの教程の二軸運動意識をもとに考えると理屈は簡単なんだけれども、実践するのはかなり難しいんです。
基本的に脚の長さは決まっているんだけど、Mコーチの滑りを見ると長さが限られている脚がにゅーと伸びるように見えるんだよね。
物理的に脚が伸びるわけ無いんだけどさ・・・

後で色々と考えたあげく、Mコーチに質問して得た回答がこれです。
内脚のたたみ込みをすることで、相対的に外脚の長さが伸びているように見えるので、より長い軸を作ることができるんです。というもの。
まぁ解釈の差はあるんだけど、「見える」ことと「やる」ことの違いが象徴されているところかなと実感です。

でもさ、この内脚をたたみ込む動きというのは実はやっかいな代物で、変に内脚だけをたたみ込むとおかしな動きになってしまうんだよね〜
それとターン内側に荷重が移動しすぎて、重心位置がスキー板の間から外れてしまうことにもなるしね〜
まぁこれは今でもテーマの一つになっているところで、理屈はわかっているけど難しいところです。
で、そんなこんなで三回目の養成講習会も無事終了です。

※アドバイス
誰かに良いと言われた滑りについて、自分の感覚と指摘が一致している場合はそれ以上滑り方を変えないようにしたほうが良いと思います。
誰かが誰かに教えるときは、コツを話したり、理屈を話したり、感覚論を話したりと結局教える人の主観によることが多いんです。
でも、滑るのは自分であり、自分の感覚でスキー運動をするわけであり、コーチの言っている通りに滑るわけではないんです。
また、人間同士である以上、相性というものが有ります。この相性が合わない人から言われた内容を言われたことだけを取り入れた場合は逆に滑りを壊してしまいます。
なので、最初の内は言っていることは全て吸収する必要はあると思いますが、ある時期に来たら言われたことの中で自分で理解できたことだけを取り入れてある意味自己責任の滑り方をすることをお薦めします。

理屈があり、理屈通りに滑って、それがきちんと表現できないのであれば、それは合格するレベルに達していないことになるのであきらめるしかないからね。準指はまぐれでは合格しないと思いますし・・・

助言はあくまでも助言であり、全て正解を教えてくれるわけでもないし、最後は自分の感覚が全てですので。当然理屈を理解した上で、それを運動感覚としてどうとらえるかという意味で感覚が全てという意味ですが。

実際に三回目の養成講習会で谷回りで滑りに対して指摘を受けたときに、かなり感覚とかけ離れた内容をちょっと時間をかけて指摘された覚えがあります。
その内容が合っているのか間違っているのかはわかりませんが、それをそのまま実践したらかなり変なことになってしまうと思って、その指摘は全て記憶の中から除外したことがありました。まぁリフトで隣になった人も同じようなことを言っていたので、かなりユニークな教え方だったのかもしれませんね。

少なくとも、善し悪しは除外してちぃにぃには合わない指摘だったんでしょうって感じかな。
お金を払って、自分の時間を使って、一体誰のために、何のために滑っているのかということを考えるようにした方が良いように思います。
まぁ言うのは簡単なんだけどね〜
2011年 2012年 準指導員検定レポ  こんな人が指導員になってよいのでしょうか(笑)
養成講習会は1泊2日で宿泊場所などは各自で準備、朝集合して夕方解散。午前と午後に2時間ずつ色々な講習をするわけです。

基本的に実技オンリーの講習会です。集団レッスンだと思えば良いかな。

正直言って初めてスキーを教えることを専門にしている人からオフィシャルな講習を受けるわけです。
噂とかでは最初は低速系の練習ばかりで飽きるよと言われていたんだけど、そんなことは全然ありませんでした。
こちとら、プルークとは何?シュテムとは何?ボーゲンとはどう滑れば良いの?ひいてはプルークファーレンって一体何?という状態だしね。
と少し大げさに書いたけど、それぞれの基本的な技術は見よう見まねでやっているだけで、正確な技術として習得しているわけではないし・・・

で、一番最初に言われたのが股関節の運動と谷回りです。内脚主導って何よって感じね(笑)

謎です。意味不明です。なぜこんなことをする必要があるかもわかりません。
テキストを事前に読み込んでいればより理解しやすかったのかもしれませんが、テキストを読んでも全然実感できるレベルではない状態で、色々と説明をされても意味不明です。

このあたりをどの様に克服していくかというのが、初年度受検のコツみたいなものになるような気がします。(今思えばね(笑))

事前に指導員会で股関節の動きとか谷回りとかの講習を受けていたので多少は理解できましたが、それが無かったら本当に理解不能状態だったよね。

しかしながら、やはり謎な時間が過ぎていきます。股関節を動かすと言っても、単純に動かすことはできるけど、言われたように動かすことは簡単にはできないって感じだしさ。

で、とりあえず色々と教わりながら、質問をしながら、具体的に動きを矯正されながら、理解が深まるにつれて何とか何をすれば良いのかというのが少しだけわかってきました。

人間の関節は数が決まっており、動く向き、動く幅などがある程度決まっているなか、スキー板、ブーツなどの道具も一定のルールの中で作られているため、運動をする原理としては非常にシンプルになるわけです。

理屈を理解して、その理屈通りに体を動かせばきちんとしたスキー運動ができることになるわけです。

理論上はね〜
まぁそんなこんなで初回の養成講習会は無事終了です。
少しだけスキーが上手になったような気がします。

※アドバイス
特に初めて養成講習会を経験する人は色々なアドバイスをメモできる筆記用具などを持参することをお薦めします。
講習の中では本当に色々なことを言われます。全てを覚えておくことなどできるわけ有りません。
なので、どんな場面で、自分がどんな感覚の時に、どんなことを言われたかということをできるだけ細かくメモしておくことをお薦めします。
後日、理解が深まった時に見返すことで何らか役になるはずです。
それと、特に低速系の動きと谷回りの運動要素については訳がわからなくてもテキストを熟読して、色々と想像して、とりあえず書いてあること自体は理解した状態で臨むと良いように思います。
その上でアドバイスを受けるとより効果的なような気がします。(自分の反省からでてきたものです)

次は二回目の養成講習会です。
いよいよ種目を専門的に練習することになります。
谷回りの原則的運動、横滑りと停止なんていう、人が見たら意味不明な低速系の種目と大回り、小回りなどの実践系の種目を交互に練習します。

バーンをセパレートされた中で横から出てくる人などを意識しないでスキーに専念できるのはなかなか良い経験です。
で、肝心の低速系ですが、体をどの様に動かすと良いのか理解できていないため、意味不明な状態が続きます。人が滑っているのを見て、それが良い、それが悪いという指摘を横で聞いているんだけど、なんとなくはわかるんだけど、どこをどのように動かせば良いのかまで理解することができません。

また講師は滑りを見て「こうして、ああして」というアドバイスをくれますが、それがコツを説明しているのか原理原則を説明しているのか理解できません。

当然です。谷回りというものの原理原則を理解できていないし、多少理解できていたとしてもそれを行うために必要な体の動かし方の感覚がつかめていないからです。
人の滑りを見て良い滑りなのはわかるんだけど、何が良いのかわかりません。まして自分の滑りは客観的に見ることができないので何ができていて何ができていないか等と言うことはわかるはずないもんね〜
でもさ、なんとか体の動きを意識しながら少しずつではあるけど上達しているみたいです。

で、お次は横滑りと停止です。これは全てにおいて完全に理解不能です。今考えると理解できるのですが、当時の感覚からすると何をすれば良いのかどうすれば良いのかということを理解することはできません。
左右の動きを同じにするように意識はしているけどなかなかできないし、安定させるために体に力を入れるとおかしな動きになるし。
今考えると、前後のポジションが悪かっただけなんだけどね〜

これまたうまい人を見ると、うまいというのはわかるんだけど、何が良くて何が駄目なのかが理解できません。
自分が思う自分の滑りと、それがどの様に滑りとして表現されているかということの差が非常に激しくて激しくて・・・

続いて実践系については、とにかく意識したことは「丁寧に滑る」ことかな。これは個人的な感覚ではありますが・・・
先にも書いたけど、スキー運動はパワーではありません。理屈です。理論です。基本的な体の動かし方です。

それができた上で初めてパワーが発揮できるようになるんです。

簡単なことを簡単にできない人が無理矢理パワーで何とかしようとしてもそれは間違ったスキー運動であり、単に雪面を降りているだけで、滑降していることにはなりません。って感じかな。

特にちぃにぃは今まで感覚とパワーのみで滑ってきたので、直されることばかりです。

また講習中に3ターン目の舵取りの部分が良くて、その次のターンは切り替え時のタイミングが悪いですので、○○してください。などと指摘を受けても、ターン数など覚えちゃおりませんって。また何ターン目にどんな感じで滑っているかなど意識して滑っておりませんって
いやはや難しいの何のって、でも考えながら滑り、疑問点を質問してそれに対して明確な回答があるというのは実に楽しいものです。
ここでもやっぱり自分が思っている滑りとそれがどの様に表現されているかという差をどの様に埋めるかと言うことがポイントの様な気がします。
という間に二回目の養成講習会も終了です。
※アドバイス
講習慣れというのはあると思います。言われたことを忠実に実行すること。言われたことを忠実に修正すること。意識してターンをして何が良いものか悪いものかと意識しながら滑った上で、指摘を待つということ。
この様な講習に対する慣れがあると上達は早いと思います。

後は、やっぱり理屈で理解することが重要かな。
タイプは二つ、いや三つに分かれると思っていて、体の動きを見よう見まねで思うように動かせる天才タイプと、きちんと理屈を理解した上で必要な運動表現をする努力タイプかな。あとおまけに、体の動きだけで理解しようとして思ったように体が動かない駄目っ子タイプかな(笑)
天才タイプの人は何も意識する必要がないので良いとして、基本的には理屈を理解した上でどの様に動くかという観点で理解を深めるのが良いように思います。感覚だけで、体の動きだけで理解をするやり方は、バーン状況などが変わってしまった場合に対応ができないので、お薦めしませんって感じかな。

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<04 初年度養成講習会>